日本の地方銀行とどのように接続するか?
トレジャリーマネジメントシステム(TMS)と、銀行とをシームレスに自動接続することは、常に骨の折れるタスクである
会計担当者が、複数の区域、散在している銀行、様々な地域の要件に対応する際には、常に多くの課題に直面することになります。特に日本は、地方銀行との接続が難しい市場 の一つといえます。
伝統的な選択肢
市場慣例に精通していない財務担当者は、第一にSWIFTネットワークを通じた接続を考えるかもしれません。しかし、日本ではSWIFT接続を提供している銀行はほんの一握りです。第二にホスト間接続(H2H)があげられます。これは古典的なファイル転送プロトコル(FTP)、もしくはセキュア版(sFTP)のセットアップのことです。しかしこのセットアップはインターネットと同じくらい古いものなので、古典的というよりむしろ古臭いという人もいるでしょう。とはいえ、このセットアップはいまだに人気があり、銀行接続をするという目的において、最も適しているということもできます。しかし、接続する地方銀行が何十行もある場合、それぞれの銀行と直接H2H接続することは容易ではありません。技術的には可能かもしれませんが、そもそも初期設定に時間がかかりすぎ、それを維持していくのは悪夢に他なりません。
その他のソリューション
ANSERとは、「Automatic answer Network System for Electrical Request」の略で、1981年から株式会社NTTデータが提供している、銀行と企業を結ぶデータ転送システムのことです[1]。このシステムは、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)センターとともに、ファーム・バンキング・ソリューションの一部として、日本では以前から存在していました。ANSERは設立当初から、企業が銀行情報にアクセスできる幅広いサービスを提供してきており、電話、ファックス、ファーム・バンキング・ターミナル、パソコンなどの方法があります。昨今のよりスピーディーで、より正確な情報交換の必要性が高まる中では、電話やファックスといった従来の方法は、より洗練され、自動化されたソリューションであるeBAgentに取って代わられました。
APIを利用したeBAgent
eBAgentは、NTTデータが提供する独自のミドルウェアプラットフォームです。このソリューションは、前述のANSERネットワークを通じて銀行との自動接続を確立することです。短くまとめると、eBAgentは、ANSERネットワークを利用した日本国内の複数の銀行パートナーへのゲートウェイを提供するものとなります。企業に残された課題は、TMSとeBAgentの接続を確立し、eBAgentプロバイダーであるNTTデータ、および銀行と適切な契約を結ぶこととなります。
接続プロトコルは、古典的なsFTPか、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)のどちらかを選択します。後者にはリアルタイムの利点があり、ピック・アンド・ドロップのsFTP接続の間のタイムラグが少なくなります。APIは、最近この分野でますます多くの企業が選択するようになっています。API接続とは別に、送金や銀行明細の対応フォーマットも興味深い内容です。日本独自のZENGIN形式に加えて、このプロトコルは独自のXMLフォーマットでのデータ転送も提供しています。このXMLフォーマットは非常にシンプルで、タグの数も限られていおり、加えてISO 20022標準とも異なり、ネスト機能のない1レベルのタグしか含まれていません。eBAgentは適用するERP/TMSインフラに応じて、ISO 20022標準から、もしくはISO 20022標準への変換サービスも提供しています。eBAgentへの接続は、セットアップ全体を通してみると、言うほど簡単ではないかもしれませんが、いくつかの TMS プロバイダーは、市場からの要求に応じて、eBAgent にプラグアンドプレイで接続するための既製のソリューションを提供しています。KyribaとRevalはすでにこのソリューションを提供しており、SAPは2024年初頭にS/4HANAとMBC(Multi Bank Connectivity)プラットフォーム上でソリューションを展開する予定です。
日本の銀行とTMS/ERPを接続する様々な方法

日本の地方銀行とどのように接続するか?
すべては銀行とシステムの厳密な状況次第といえます。混成させる方法(ハイブリッド・ソリューション)が最適である、ということが判明するかもしれません。銀行と安定した信頼性の高い接続を実現するには、慎重な検討と、設計が不可欠になります。ひとつ確かなことは、銀行口座の明細情報を入手し、電話やファックスで支払いを実行するようなソリューションは、もはや十分ではないということです。企業と銀行の間で多くの機密情報がやり取りされる現代では、信頼性の高い自動化されたソリューションが不可欠になります。
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